« 1・8~52 事の原因 | トップページ | 1・68~100 幕僚会議(2)予言者カルカース »

1・53~67 幕僚会議(1)アキレウスの発言

前行まではほんの前置き。ここからこそがこの物語の本当のオープニングである。

55:ヘーレーがアキレウスに人々を会議の場へ召集する気を起こさせた。その役はアガメムノーンやオデュッセウスでも良かった筈だろうが、このストーリーのアカイア軍初場面であり、主人公としての彼の登場場面に相応しい。

61:主語がpolemos(戦争)とloimos(疫病)と二つなのに、動詞damai「滅ぼす」が単数であるが、以下のことが考えられるようである。(1)二語で一つの意味(抽象的に一つの概念)として考えるから。(2)主語のどちらかを形容詞に訳す(「戦のような疫病」とかになるのか?)。(3)より近くの語polemos(teは本来前につくので)にひかれて、動詞が単数になった。(4)kai loimos Achaiousに、動詞damaiをもうひとつ補う。

62:「予言者か神官か夢見の者に訊ねよう」と言っているが、カルカース以外にそういう者が軍中にいたとも思えないが。始めから人物の名を出さないようにしているようである。

64:アキレウスは疫病の原因がアポローンであることを知っている。夢がゼウスから生じる(63行目)のと同様に疫病といったらアポローンの仕業に決まっているのだろう。

|

« 1・8~52 事の原因 | トップページ | 1・68~100 幕僚会議(2)予言者カルカース »