1・130~147 幕僚会議(5)初めに喧嘩を売ったのは
133:しょっぱなから穏やかでない言葉だが、この行でアガメムノーンはアキレウスに完全に難癖をつける。klepte(誑かす)だのpareleuseai(騙す)だのとアキレウスにとって屈辱的な言葉が並ぶ。
135:アガメムノーンは自分の要求を明らかにする。自分の納得いく褒美をよこすか、よこさなければお前のものでも誰のでも自ら出向いて行って取ってくるぞ、と。恐らくこれはただの脅しであり、実際総大将自らの手で行われはしなかったが、脅しであっても言われた方の精神的(体面や名誉への)ダメージは大きいと思われる。アキレウス以外の者の名前を挙げることで、列席する指揮官たちも牽制している。
140:自分への代替の褒美の件はともかくとして、クリューセーイスを返還することは決定したので、それに対する指示を出している。アガメムノーンはこれ以上アキレウスが自分に逆らうなど考えていなかったと見える。次にアキレウスが言い返さなければ、このまま直ぐに返還の段取りが進められたのであろう。アガメムノーンがアキレウスを軍中一の勇士であることより、脅しつけておけば十分の、若年の一兵士くらいにしか思ってないのがわかる。
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