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1・304~317 クリューセーイス返還隊の出発

307:集まりは解散し、アキレウスは自分の陣屋に戻るが、その際、自分の部下たちとパトロクロスを連れて戻った。会議では杓杖をもつ者しか発言権は無いものの、パトロクロスや、全員ではないだろうがミュルミドーンたちもその場に出席していた。集会場は葬礼競技ができるほどの面積を持つ広場で、今の会議もどうかすると数百人の兵士たちの見守る中で開かれたらしい。これでは侮辱を受けるのも公衆の面前同然だ。アガメムノーンもアキレウスも必死になるはずである。

308:クリューセーイス返還の一団が編成される。帆柱を持つ船に乗ったのは当のクリューセーイス、指揮官のオデュッセウス、二十人の漕ぎ手、そして犠牲の牛たち。これらからして、遠征時に乗ってきた大型の船とは違い、櫂を二十本備えた船足の速い軽走船(東京書籍出版「ギリシア軍の歴史」参考)と思われる。ヘカトンベー(百牛の大贄)はもはや正式な儀式の称としてのもので、本当に百頭用意したわけではないかもしれない。

317:神は天上にいる。神に犠牲を捧げる時は肉を焼き、その煙と香りが空に向かって立ち上らせることで神に届くとされた。焼き残った肉は人間たちで食べる。

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