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2・48~83 全体集会前の閣僚打合せ

50:ここでアガメムノーンが伝令により召集を命じたのは、アカイア軍全軍である。一方、総会を始める前に彼はまず、megathumown gerontown(大いなる気性の老人たち)の会議を設定する。この「老人たち」とは文字通りではなく、遠征軍の一握りの実力者や経験豊富な者たちのことではないだろうか。また会議に出席したのはネストール以外は不明であり、人数もわからない。イードメネウスくらいは参加していたろうか?少なくともオデュッセウスはここではメンバーではなかったように思えるのだが(2書169行参照)。これとは別の召集における7人の長老たちの名が、2書404行以降に上げられている。

60:初めにゼウスがオネイロス神に命じ、それをオネイロス神がアガメムノーンに伝えたことを、三度目アガメムノーンがここで同じ話をする。三度紹介すること自体に意味があるかはわからないが、場面が変わりながらゼウスの命令が伝えられていくのがわかる。ヘーレーの作り話は、オネイロス神がネストールの姿を借りたのと同様に、いかにもそれをしそうなアカイア軍の味方の神の名を出して信用させようとしているのだろう。

70:56行目で「夢がやって来た」と言っていたので、ここのo、eipown、apoptamenosはいづれもオネイロス神である。この行は33行目の繰り返しであるが、後に続く「眠りが去った後でも忘れるな」の部分を繰り返しておらず、ここではただ「甘い眠りが去った」とだけ言っている。

72:この行の「とにかく皆に武具を着けさせよう」というのが、この後出される軍の指揮のテストの目的のようである。このテストのことは各注釈書にも色々と書かれているが、それによると he themis esti(慣習である)の言葉通り、民衆の意向を試すことは通常行われていたらしい。わざと正反対のことをアガメムノーンが勧め、他の参謀たちが周りで引き止めることになっていたが、殆どの者がそうしなかった。

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