« 2007年12月 | トップページ | 2008年5月 »

4・1~74 誓約破棄の提案

5:Kirkの注釈書(Cambridge Univ)によると、アカイア軍が窮地に陥り、彼らがアキレウスを請うようにするというテティスとの約束を果たすために、ゼウスは戦いを再開させようとする、とある。ヘーレーはトロイアの滅亡なしに、一騎打ちのみによる円満決着を望んでいない。それを熟知するゼウスは、わざと和睦という言葉を出してヘーレーを怒らせ、戦いを起こさせることにした。ゼウスはいつも物事を決める時には、自分からそれを直接指示する方法をとらず、自分以外のものにそれを託す(22書208行参照)。今回も、自分に一番抵抗しがちなヘーレーを唆して、彼女の口から思い通りの結果を引き出す。

13:メネラーオスの勝利(である)とゼウスは言うが、3書282行において、一騎打ちの前にアガメムノーンが誓った中に、「もし討ち取ったら」とあり、それは果たされていない。(Thomas D. Seymourの注釈参照)

20:アカイア側の味方であるヘーレーとアテーネーだが、ヘレネーをメネラーオスが連れて帰る代わりにトロイアの町が存続されることに反対を表明する。彼女たちは自分の信仰のある土地のために荷担しているだけであって、決してメネラーオスの味方ではない。

|

« 2007年12月 | トップページ | 2008年5月 »