« 4・73~126 アテーネー、パンダロスを唆す | トップページ | 4・220~326 アガメムノーンの閲兵(イードメネウス・両アイアース・ネストール) »

4・127~219 傷を負うメネラーオス

130:「アテーネーは矢を防いだ」のだが、完全に防がれたわけではなく、矢はメネラーオスを傷つけた。Leafの注釈によると、ここのtosson(そのくらい)は、132行のde aute(そうしないで・その代わりに)と関連するということである。つまりは132~3行の「腹帯の金の留め具が合わさった、胸甲が二重になった部分へと矢を向けた」-「鎧が二重の最も厚く、最も防御力の高い場所に女神がそれを誘導した分だけ、アテーネーは矢を防いだ(Thomas D. Seymourの注釈)」となる。命に関わらない安全な部分へ矢を導いたことで、アテーネーはメネラーオスを矢の脅威から防いだのである。

156:hoion(たった一人)はメネラーオスのことで、彼を戦うようにprosteesas(前に出させた)のはアガメムノーンである(Thomas D. Seymourの注釈参照)。ここで言う「誓い」とは、一騎打ち前にアガメムノーンがした誓いのようである。その誓いはどちらの命も奪われていないという点からして、果たされなければならない必要性がない。

159:宣誓に使用する酒は水と混ぜないワインを献酒することから、spondai(神前の誓い)にakreetoi(純粋な・紛れのない)という形容詞がつけられているが、3書269行の場合、一騎打ち前の誓いでは酒は混ぜられている(Thomas D. Seymourの注釈)。そしてeesはdexiaiの関係代名詞三人称女性複数与格である。「それら(右手)によって、我らは約束した」

182:「大地が私に大きく口を開ける」とは、「早く死んでしまいたい」という意味とのことだ。6書282行、8書150行、17書417行に同様のフレーズが見られる。(Thomas D. Seymourの注釈による)

198:
tow以下の文にはbaronti(ballwのアオリスト分詞)を補って読むことが、Thomas D. Seymourの注釈にある。

|

« 4・73~126 アテーネー、パンダロスを唆す | トップページ | 4・220~326 アガメムノーンの閲兵(イードメネウス・両アイアース・ネストール) »